発達障害が工場で働いてみて

13年働いてきた職場(小売業)が二週間後に突然の閉店を言い渡された。

給与や社会保険は保証され、親会社の工場へ部署異動することとなった。会社の都合なのでなにかとそのへんの世話はしてくれたのはありがたかったのかもしれない。二週間後に突然無職になるのは免れた。

 

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選択肢は三つあった。

・同じ小売業の他店への異動。

・工場の生産管理部(いわゆる商品の仕分け)

・工場の製造部門

コミュ障、社会不適合者の自負があった私は、慣れ親しんだ小売業よりも生産管理部を選んだ。

まったく未経験の職場だが、接客からやっと解放される安心感が少なからずあった。不安の方が断然大きかったが。

 

さて一昨日からこの生産管理部に異動になったのだが、とにかく体力的にきっっっっつい。

何度か意識が朦朧とし、数も数えられないぐらい。

休憩一時間を含む9時間の就業時間が終わると、まるで屍である。翌日はもちろん筋肉痛に見舞われた。

 

しかし、業務内容は私には向いていた。

主に単純作業。

簡単に言うと商品を専用のPCでスキャンすると、仕分ける場所の上のランプが点灯する。そこには個数も表示される。そこに商品を並べていけばいいのだ。これを一日中やってればいい。

もちろん仕分けの数は膨大なので、終始歩き回って点灯しているランプを探す。1時間の休憩以外で止まることが許されるのは、水分補給をするために一時的に事務所に避難したときのみ。半端じゃない運動量だった。隙あらば一服していた前職を13年続けてきた、休日引きこもりにはかなり過酷だったということを察して欲しい。

 

しかしこの仕事の利点(私にとっての)は、ほぼ人と会話をしなくていいということだ。

特に午前中は人が少ないので、ほぼひとりでひとつのブロックを担当している。これだけはかなり快適だ。

ベトナム人留学生のKさんなんて、歌を口ずさんでいる。私も早く慣れてあの領域にたどり着きたい(職場では作業効率アップの目的で有線が流れている。だが彼はどうやら自国の歌を口ずさんでいるっぽい)

 

ほかにも発泡スチロールを吹いて、まとめるという作業もある。これはほぼ体力を使わなくていいので、ずっとこれだけやっていたい。

とにかく、私のようなADHDにとって(特性の出方は人それぞれなのであくまで私の場合である)ほぼひとりでできる単純作業はかなり合っているような気がした。

過集中が発動しているのか。

だが初日で学んだことは、あまり張り切りすぎると体力がもたないということだ。

そこで二日目は他の従業員の動き(特にKさん)を観察していたのだが、気を抜いていいポイントは抜く。つまり集中すべきポイントと、適当にやってもいいポイントで力加減を分けるということだ。

たしかにこれ、すべてを全力でこなしていたら身体がもたない。いつか体力がついて慣れるのかもしれないが、その前に倒れる。

 

このまま今のような単純作業だけをさせてもらえるのなら、なんとかやっていけそうな気がする。ひとりで黙々と作業をするのが好きな人、得意な人、人と(客も従業員も含め)接することが苦手、苦痛な人は、工場の仕分け作業をおすすめしたい。