インターネットミームになりたかった。

結論が出た!
私はインターネットの中でちょっと有名になりたかった。
仕事も日常生活も人並み以下の私が、インターネット上なら何者かになれる気がしていた。もう私のバトルフィールドは現実にはない。インターネット上なら非凡な私にもスポットが当たる機会があると思いんでいた。
なんの根拠もない。だってそれに至る努力をしていないことは、自分が一番よく知っているから。
自分にも人並み以上のことができるって証明したかった。
けど手軽にインターネット上に作品や言葉を片手間ですら投稿できる時代。凡人ですらない私にはバトルフィールドに上がることすらできなかった。

一体、人並み以下の能力しか持ち合わせていない人間は、どこで評価を得られるのだろう。
評価かれないことは、自分の努力不足、センスの無さに起因している。
それを突きつけられ、私はインターネットデブリだった。
もう誰も私を見ていない。
どの世界にも存在しない。
私は世界から切り取られた別の場所に弾かれた。
棄民、という言葉がとても良く似合う。もはや棄てられてすらいない。
生産性のない人間は、透明であり存在すら認知してもらえないのだ。

何もできない自分を痛感した。
役割を持たない人間として、存在価値がゼロだったのだ。
自我を保つためのアポトーシスすらできない。私という個体を維持するための自死すら無意味。
いったいこの肉体は、生命は、なんのためにここにあるのか。
弾かれた場所から世界を見ているようだ。そこに感動や同感はない。ただ眺めているだけ。世界に不参加の人間なのだ。